10代の大陰唇ヒアルロン酸注射の注意点
- 10代なら若返りという前提での大陰唇ヒアルロン酸注射は不要
- 見た目や膨らみ、張り感や弾力性の治療であれば10代でも治療は有効
- 17歳までは親の同意書が必要となるが18歳以上であれば自己判断で治療可能
大陰唇ヒアルロン酸注射について
大陰唇ヒアルロン酸注射とは具体的にどのような施術になるかというと、女性器の左右にある腿の付け根の皮膚のふくらみ部、つまり大陰唇に直接ヒアルロン酸を注射して注入部位を若い時のように張りや弾力性を持たせ、
加齢により老化した大陰唇部の状態を若返らせる治療法
の一つです。
大陰唇というのは元々は張りや弾力性があり、ふっくらとした健康的な状態です。しかし、他の肌や皮膚部と同様で加齢による老化現象により、大陰唇部も徐々に平坦になりシワシワにしぼんでいく傾向があります。
この大陰唇の加齢にともなう老化現象を改善するために、大陰唇にヒアルロン酸を注入して、元来の張りや弾力性を取り戻します。
ヒアルロン酸といえば、例えばほうれい線ができた時の改善策として広く認知されている方法となりますが、目の下にクマやたるみができたときなどにも、ヒアルロン酸注射することで解消する医療施術としても有効性は広く認められております。
大陰唇ヒアルロン酸注射も他の部位と同じように、たるみやシワを改善することを目的として、直接大陰唇にヒアルロン酸を注射します。
ヒアルロン酸は、もともとはくぼんだ身体の部位に注射して、平らな状態を目的とした治療法となります。ですので、平らになった個所やしわが生じた皮下にヒアルロン酸を注入することで、くぼみやシワを消して、更に膨らみなどをもたせて、若々しく膨らみのある、ふっくらとした盛り上がりを再現する治療方法です。
体内に人工的に成分を注入することが心配な方がいらっしゃるかもしれませんが、ヒアルロン酸というのは、もともと身体のさまざまな箇所に存在する成分となります。各関節や軟骨、お肌や脂肪の中など、人間の身体中にヒアルロン酸はさいしょから存在している成分なのです。ですから、皮膚の張りや膨らみなどを持たせるためにヒアルロン酸を利用した注射治療は、安全面でもとても安心な治療方法の一つといえるでしょう。
10代成長期の大陰唇事情
大陰唇とは膣のすぐ両側にあるビラビラ(小陰唇/しょういんしん)と太もも付け根の間にある皮膚の膨らみ部分になります。
デリケートゾーンの部位において大陰唇と小陰唇の機能的な役割としては、膣や尿道の出入り口を保護する大切な役割のある部位です。10代は思春期から第二次性徴がはじまります。子供の身体的な特性から男女による性差がわかる大人の身体付きに徐々に変化をしていく時期を迎えます。
大人の女性の身体的特徴に変化していきます。
丁度この時期に大陰唇も成長していき、ふくらみが出てきてハリ感や弾力性が見られるようになります。また大陰唇周辺には陰毛が生えはじめ、身体の局部にも体毛が生えはじめます。大陰唇は10代の第二次性徴で大きく変化しますが、性徴変化がある程度終わってからもハリ感や膨らみはさらにしっかりとした状態に成長していきます。
この時期から、お肌にもヒアルロン酸が豊富な状態で肌艶や肌のハリ、皮下の脂肪も十分な状態なので、大陰唇も新鮮で若々しく、とても健康的な状態といえるでしょう。
加齢で変化する大陰唇の老化現象
10代の思春期に訪れる第二次性徴期には子供から大人へと身体的特徴が変化していく過程です。大陰唇を含む性器周辺の状態も同時期に成人の状態へと変化していく過程にあります。
もちろん個人差はありますが、ほとんどの方が20代になれば大陰唇の状態も成人期の完成した状態のまま維持されていきます。その後、30代から40代にかけて、加齢により徐々に大陰唇の老化現象が始まり、大陰唇部のヒアルロン酸やコラーゲンが減少し始めて、ハリ感や弾力性はなくなり、平らになっていきます。皮下の成分が減少することにより、さらに小皺やたるみが生じてくることもあります。老化現象の影響で、大陰唇の皮下にある脂肪層が萎縮してしぼんでいくことで、20代の頃のような大陰唇の膨らみは収縮していく傾向があります。
さらに50代や60代になると閉経がはじまることで、女性ホルモンが減少しホルモンバランスが変化することにより、さらに大陰唇の老化は進行することになります。
人によっては大陰唇が窪んだように見えたり、かなりシワシワの状態に陥り、元気のない皮膚だけがたるんで垂れ下がったような状態になってしまうこともあります。
10代の大陰唇ヒアルロン酸注射の必要性
前章までの解説で、おおよそ大陰唇ヒアルロン酸注射とは大陰唇部の若返り治療施術のひとつということをご理解いただけたかもしれません。
では10代のうちに大陰唇ヒアルロン酸注射をする必要があるのかという点について、加齢による老化現象の改善という前提になるのであれば、基本的にほぼ必要がない不要な注射と言えるでしょう。
まず10代は身体全体で性的な特徴が成長する途中でもあるので、ヒアルロン酸を注入しても大陰唇を含め性徴自体に大きな影響を与えることはありません。
ですので、第二次性徴期が明らかに完了してもある程度の加齢が進むまでは、
人為的にヒアルロン酸を注入する必要もありませんし、効果も期待できない
でしょう。
さらに10代後半期に大陰唇の性徴が完了していた場合には、10代であれば大陰唇は張りや弾力性があり、膨らみがあるため見た目や感触も充分若々しく健康的な状態であるため、この時期に大陰唇へヒアルロン酸を注射する必要性は一般的にはまったくないといえます。
ただ、加齢による形状の劣化ではない理由、つまり、いまより膨らみやハリ感を出したい、より形状を魅力的に整えたいなどの現在よりもさらに大陰唇を良好な状態にしたいという要望に対しては、10代であっても大陰唇のヒアルロン酸注射で効果的に影響を与えることは可能です。
もともとの状態で大陰唇に張りや弾力性、ふっくらとした膨らみがないという方も確かにいらっしゃいます。また一般では平均的な普通の大陰唇の状態と考えられていても、ご本人はより良く魅力的な状態にしたいとか、より張りのある弾力性のある状態にしてみたいというご希望をお持ちの女性は、実はわりと多いのです。
大陰唇ヒアルロン酸注射は、仮に10代である程度第二次性徴期が完了した方や20代の方であっても、このような希望をお持ちの女性の方には最適な治療方法のひとつです。ですので10代の場合は若返りを目的とするのではなく、もともとの若いハリのある状態から、さらに良い見た目や触り心地の感触、ハリ感や弾力性を良くすることを目的とされている場合であれば、10代であっても大陰唇ヒアルロン酸注射は充分に効果的で最適な方法となるのです。
大陰唇ヒアルロン酸注射に親の同意書が必要なケース
10代でも、大陰唇ヒアルロン酸注射によって今よりも見た目の良い大陰唇の形にしたい、触り心地や感触をさらに良くしてみたい、張り感や弾力性を持たせたいという方であれば、治療自体は可能ですし効果も期待できるでしょう。
ただ、ご注意いただきたいのが、10代でも17歳までの方の場合は、保護者である親御さんの同意書が必要となります。母親か父親のどちらかの保護者の方の同意書へのサインが必須となります。同意書自体はクリニックのホームページ等から直接書類をダウンロードすることは可能になっている医療機関が多いので、所定の書類を確認して、保護者の方にサインをしてもらうことでヒアルロン酸注射が可能になります。
18歳以上であれば成人として自己判断で治療を受けることが可能なので、10代でもご自身の年齢に応じて治療に必要な手続きを確認いただく必要があります。
10代のヒアルロン酸注射事情のまとめ
大陰唇ヒアルロン酸注射は、主に加齢により衰えた大陰唇の若返りのための治療となります。
ですので、身体の特徴が大人の状態への成長過程、つまり10代の成長期の段階に大陰唇へのヒアルロン注射は基本的に不要です。
ただ例外的に10代であっても、大陰唇の見た目をより魅力的にしたいとか、触り心地や弾力性をさらに良くしたいとご希望の方であれば、大陰唇へのヒアルロン酸注射によって現在の若々しい状態を理想的で魅力のある大陰唇の状態にさらに改善することは可能で、効果やメリットも受けられることでしょう。
もともとヒアルロン酸は人間の身体の各部位に存在する成分です。ですので、ヒアルロン酸は体内に安全に注入することができます。
また第二次性徴期である10代であっても、さらに良好な状態を目指すためにヒアルロン酸を安全に注射するメリットはあります。ただ、10代の方で18歳未満の場合は、保護者のかたの同意書提出が必要となりますので書類の準備が必要になりますが、幅広い年齢層の方が治療を受けられるといえるでしょう。
大陰唇ヒアルロン酸注射に興味をお持ちの方や不安や心配な点がある方は、どのような対応をしている医療機関であるかも事前にチェックできるので、ぜひ美容クリニックに直接相談してみるのが良いでしょう。
婦人科形成統括医師・著者医師
略歴
- 2005年
- 筑波大学医学部卒業
- 2007年
- 東京大学形成外科
- 2017年
- 日本医科大学形成外科 講師
- 2019年
- ルーチェクリニック銀座院
資格
- 婦人科形成研究会 理事長
- 東京大学大学院医学博士
- 日本形成外科学会専門医
- 日本創傷治癒学会 評議員
- 日本創傷外科学会 学会誌編集委員
担当医師
- 医師
- 佐野 仁美
- 医師
- 山口 華央
- 医師
- 堀口 舞
記事監修医師
このページは20代の大陰唇ヒアルロン酸注射についての美容医療に関わる専門的な内容になっています。
そのため、医師免許を持った加藤晴之輔総院長をはじめ、日本形成外科学会(JSPRS)専門医、日本美容外科学会(JSAPS)正会員を有するルーチェクリニック医師陣が監修し制作しております。
記事総監修医師:加藤晴之輔
総院長略歴
- 岐阜大学医学部卒
- 東京大学大学院医学博士
- ルーチェクリニック 総院長
- 自治医科大学形成外科非常勤講師
代表的な資格
- 日本形成外科学会専門医 専門医一覧
- 日本美容外科学会正会員 名医を探そう
- 日本美容外科学会評議員 評議員一覧
- 国際美容外科学会正会員 Find a surgeon
- 日本再生医療学会会員
- アメリカ形成外科学会正会員
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