タトゥー・刺青にはピコレーザー
タトゥーをレーザーで取ろうとお考えの場合、ピコレーザーで取ることをお勧めします。一番のメリットは、タトゥー・刺青を消す方法の中で一番きれいにとれるからです。他の古いレーザーでは全然インクが取れません。それどころか逆にケロイドのような傷跡になってしまいます。レーザーによるタトゥー除去を考えていらっしゃる場合はピコレーザーを選択しましょう。
ピコレーザーでのタトゥー除去の経過
ピコレーザーを照射したときの経過を次の2つにわけて解説致します。
・1回治療ごとの経過
・回数を経た長期的な経過
1回ごとにどのような皮膚反応があり、どのような経過、ケアが必要か、また最初の1,2回目と、10回くらいでの経過はかなり異なります。それぞれ見てみましょう。
1回ごとの経過
1回のレーザーの照射をするとどのような経過をたどるかといいますと、大きく次の6段階に分けられます。
- ピコレーザータトゥー除去治療
- ピコレーザータトゥー除去治療直後
- ピコレーザータトゥー除去治療日の夜
- ピコレーザータトゥー除去治療翌日
- ピコレーザータトゥー除去後1週間
- ピコレーザータトゥー除去後1ヶ月
それぞれみてみましょう。
ピコレーザータトゥー除去治療
ピコレーザーを照射するとき、パチパチ弾かれるような痛みがあります。範囲が小さければ保冷剤などのクーリングで照射は1,2分で終わります。手のひらサイズを超える程度の大きさのタトゥーの場合は局所麻酔を行います。パチパチの痛みがほぼなくなります。麻酔の注射がチクチクしますので、これを和らげる方法として、笑気麻酔(ガスの痛み止め)を行います。笑気麻酔をすると注射のチクチクがかなり和らぎます。麻酔クリームを準備はしていますが、実際に麻酔クリームだけでは痛みがあまり変わらないので当院ではあまり使用していません。
ピコレーザータトゥー除去治療直後
ピコレーザーの照射直後は赤みがでます。場所によってはヒリヒリ感がでるので、すぐに炎症止めのお薬をぬります。レーザーを照射した範囲をしっかりとガーゼで保護し、テープで止めます。テープかぶれを起こしやすい方はお肌に優しいテープもご用意しております。ガーゼの上から服をきます。ヒリヒリが気になる方は痛み止めを処方することもできます。
ピコレーザータトゥー除去治療日の夜
ピコレーザータトゥー除去当日の夜にガーゼを外してシャワーを浴びて頂いて問題ありません。もちろん心配な方はシャワーを翌日にあびても大丈夫です。ガーゼを外すときはそーっと外しましょう。また、レーザー照射部位はごしごしこすらないようにしましょう。ボディーソープやお湯がつく程度は問題ありません。シャワーからでたら濡れた部分を優しくふいて、処方された軟膏をぬり、ガーゼをまたあててください。
ピコレーザータトゥー除去治療翌日
翌朝ピコレーザー照射部位を確認して頂いて、皮膚がなんともなっていなければガーゼ保護は不要です。もちろん心配な場合は、ガーゼを当てても問題ありません。この肌ダメージの少なさもピコレーザーのメリットです。古いレーザーは必ずと言っていいほど出血や激しい水膨れがでてしまいます。もし万が一水膨れができた場合、その部分だけ軟膏をつけてガーゼ保護しましょう。水膨れはたいてい数日で綺麗に治ります。もし水膨れが破れて中の滲出液が出てきた場合、皮膚を取らないでそのままにしておきましょう。天然の絆創膏となって、その下に新しい皮膚が再生してきます。
ピコレーザータトゥー除去後1週間
水膨れは全部綺麗になおります。両腕全体や背中全体の場合はもう数日必要ですが、ほとんどの場合は1週間程度でお肌は綺麗に再生します。皮膚が再生する過程でかゆみがでることがあります。その場合は、処方されたかゆみ止めを塗りましょう。かゆみは徐々におさまってきます。時々、「レーザーをしたのにかさぶたができなかったのですが大丈夫でしょうか?」と質問されます。答えは問題ありません。ピコレーザーの場合むしろ、かさぶたができません。古いレーザーはかさぶたができるほど激しい肌ダメージが入るのですが、ピコレーザーはそのようなことがありません。ピコレーザーはかさぶたになってはがれてインクが薄くなるのではなく、照射後1週間から1ヶ月にかけては、インクが徐々に皮膚の奥から吸収されてインクが薄くなっていきます。
ピコレーザータトゥー除去後1ヶ月
ピコレーザー照射後1ヶ月経過すると肌はほぼ元通りなるので、再度ピコレーザーの照射ができるようになります。もしお肌がまだピンク色である、かさかさしている等、気になる状態であればさらに1ヶ月間隔をあけることになります。このような経過を繰り返していきます。
回数を経た長期的な経過
回数を重ねるごとにレーザー照射後の経過がかわってきます。主に4段階に分けられます。
- 治療初回
- 治療序盤
- 治療中盤
- 治療終盤
それぞれを見てみましょう。
ピコレーザータトゥー除去初回
初回は皮膚の中にインクが最も大量に残っている状態なので、レーザーの反応も強くでます。照射直後から1,2日ジンジンした感じや、小さな水膨れができるリスクがあります。1回目が一番つらいとも言えます。
ピコレーザータトゥー除去後序盤
2回目以降はどのような経過をたどるかわかってくるので、ケアの仕方も楽になります。とはいえまだまだインク粒子は皮膚の中にあるので、レーザー照射後のケアが必要となることが多いです。
ピコレーザータトゥー除去中盤
皮膚の中のインク粒子がかなり減ってくるので、レーザー自体の痛みもかなり和らぎますし、照射後の痛みや水膨れもなくなってきます。
ピコレーザータトゥー除去終盤
皮膚の中のインク粒子はほとんどなくなっているので、ピコレーザーの照射時間が短くなるので我慢する時間も短くなります。照射後のガーゼ保護もほとんどいらなくなります。
まとめ
ピコレーザーによるタトゥー・刺青除去の経過のイメージがわいたでしょうか?最初が反応もつよいので、照射後の経過が大変になることが多いですが、回数を経るごとにどんどん楽になります。また回数を経るとごとにどんどんタトゥーがとれてくるので、頑張ろうとも思えます。当院ではできるだけ痛みやピコレーザー後に快適に過ごせるように工夫をしております。心配なことはなんでもご遠慮なくご相談下さい。
記事著者
このページは医療に関わる専門的な内容になっています。
そのため、
医師免許を持った加藤晴之輔総院長をはじめ、
日本形成外科学会(JSPRS)専門医、
日本美容外科学会(JSAPS)正会員を有する
ルーチェクリニック医師陣が著者・監修し制作しております。
記事著者・総監修医師:加藤晴之輔
<総院長略歴>
- 岐阜大学医学部卒
- 東京大学大学院医学博士
- 医療法人社団光美会 理事長
- ルーチェクリニック 総院長
- 自治医科大学形成外科非常勤講師
<代表的な資格>
- 日本形成外科学会専門医 専門医一覧
- 日本美容外科学会正会員 名医を探そう
- 日本美容外科学会評議員 評議員一覧
- 国際美容外科学会正会員 Find a surgeon
- 日本再生医療学会会員
- アメリカ形成外科学会正会員
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