タトゥー・刺青を消すには?と思うとき
タトゥーや刺青を入れる時は、いろいろな思いや覚悟があると思います。しかし人生の中でもういらないな、というと時が思いがけずでてくることがあります。それは就職・職場・結婚・出産などです。いろいろな人生のタイミングでタトゥーを消さないといけない、もしくは消したい、そういった方はたくさんいらっしゃいます。
タトゥー・刺青は自分では消えない
タトゥーや刺青を消したい、入れなおしたい、という場合、自分で消すことはまずできません。クリームなどが売っていたりするかもしれませんが、効果はないといえるでしょう。なぜならばクリームで消えたらタトゥーを消すレーザーやクリニックは必要ないからです。今のところタトゥーを消すクリームはありません。まずはクリニックに相談することが、お金と時間を無駄にしないコツです。
タトゥーや入れ墨を消す2つのクリニックの方法
クリニックや病院でタトゥーや入れ墨を除去使用した場合、大きく分けて次の2つの方法があります。
- 手術
- レーザー
手術は麻酔をして切除する方法です。レーザーは切除することなく医療用タトゥー除去レーザーを照射して取る方法です。
タトゥーや刺青を手術でとる3つの方法
もう少し細かくみてみますと、手術でタトゥーや刺青をとる方法は次の3つの方法があります。
- 切除
- 削皮
- 植皮
1つ1つ見てみましょう。
タトゥーを消す方法~切除~
切除とは、局所麻酔をしたのち、メスでタトゥー部分を皮膚切開する方法です。タトゥーが入っている部分は取り除いてしまいます。そして皮膚を縫い閉じます。縫い閉じることを「縫合(ほうごう)」といいます。切除して縫合するので、「切除縫合(せつじょほうごう)」、略して「切縫(せっぽう)」と呼ぶこともあります。
切除のメリット
切除によるタトゥー除去のメリットはある程度の大きさのタトゥーなら1回で治療が完了する点です。1~2週間後に抜糸が必要です。問題なければ来院するのは手術の日と抜糸の日の2日だけでよくなります。但し、サイズが大きくなってしまうと2回または3回と分けないといけません。例えば1回目の手術をしたら半年後~1年後に2回目を行う、とうような流れです。
切除のデメリット
切除のデメリットは傷跡です。綺麗な細い白い線になるようにデザイン、切除、縫合を行うのですが、それでもケロイドのような傷跡ができる可能性がかなりあります。ケロイドは1度なったら自然に治ることはないので治療が必要となります。
タトゥーを消す方法~削皮~
削皮とは、皮膚を削る、すなわち、局所麻酔をしたのち、刺青がはいっている皮膚をメスなどで削り落とす方法です。削り落とす、なんていうと痛そうですが、実際は麻酔が効いているので痛くありません。削った部分は擦り傷のようになりますが、徐々に傷がふさがっていきます。
削皮のメリット
削皮による刺青除去のメリットは、切除縫合できないような丸や四角のような輪郭のタトゥーでも、ある程度の大きさなら1回で治療が完了できる点です。切除の場合、皮膚を縫って閉じることができることが前提です。縦長のデザインや、英語の文章などは切って縫えます。しかし、例えば太陽のような丸いデザインだと、皮膚が寄らないので縫い閉じることができません。そこで削皮を行います。但し、これも切除と同じですが、大きすぎると傷が治らないので、ある程度の大きさ以上になると2回ないしは3回に分けて行います。
削皮のデメリット
デメリットはやはり傷跡です。赤く盛り上がったケロイドになる確率が高いです。技術的にそのリスクを減らせなくはないですが、インクが深く入っていると、皮膚も深く削らざるを得ないので、やはりケロイドのリスクを避けられません。小さいころに火傷をした、熱湯をかぶってしまった等、他の傷に置き換えるイメージになります。
タトゥーを消す方法~植皮~
植皮とは「皮膚移植」のことです。削皮は皮膚を削った状態のままで治療終了ですが、植皮の場合、削った後、体の他の部位から皮膚を採取して、削った部位に移植します。傷の治りが削皮に比べて圧倒的に早くなります。
植皮のメリット
植皮によってタトゥーを消すメリットは、大きいタトゥーでも1回治療で治せる点です。削皮や切除では何回かに分けて治療しないといけないものでも、植皮なら1回で完了です。
植皮のデメリット
デメリットは傷跡です。皮膚移植と言っても完全にもとの皮膚のような質感にはなりません。なんとなくひきつれたような、やけど後のような感じになります。また、植皮の場合、体の他の部位から皮膚を採取することになるので、皮膚を採取した部位も傷跡になります。採取した部位も完全に綺麗になるわけではありません。また、皮膚移植は定着するまでに1~2週間程度かかります。この間移植した部位をたくさん動かしてしまうと、移植した皮膚はくっつくことができなくて最終的に溶けてなくなってしまいます。手術後の安静が重要となります。体を動かす仕事は休んだ方がよいでしょう。
タトゥーや刺青をレーザーでとる2つの方法
タトゥーを除去するレーザーには大きく次の2種類があります。
- ピコレーザー
- ピコレーザー以外
の2つです。
タトゥーを消す~ピコレーザー~
レーザーには沢山の種類があります。その中でも最も効果が高いレーザーがピコレーザーです。ピコレーザーはもともとアメリカでタトゥー除去をするために開発されました。ピコレーザーが開発されていた当時のざっくりとした統計によると、アメリカでは人口の約60%の人がタトゥーをいれており、その約3分の1が消したい、または新たなタトゥーに入れ替えたい、という希望があったようです。ピコレーザー以外のレーザーではとることができなかったので、その要望に応えて誕生したのがピコレーザーです。まさにタトゥーを消すために生まれてきたレーザーなのです。
ピコレーザーのメリット
ピコレーザーがなぜタトゥーに効くかというと、それはパワーが強いからです。パワーの中でもピークパワーが強いのです。このパワーが強いと、小さなインクまで破壊することができます。レーザーの場合、皮膚の中に存在するインク粒子をできるだけ細かく破壊できるかどうかで、タトゥーが消えるかどうかが決まります。ピコレーザーは普通のレーザーよりも細かく、かつ皮膚のダメージを最小限にしてインク粒子を破壊できるので、タトゥーをより早くきれいに消すことができます。
ピコレーザーのデメリット
ピコレーザーといえども1回でタトゥーを消すことはできません。自分でいれた薄いタトゥーならとれますが、ショップや機械でいれたタトゥーは回数がかかります。なので例えば、職場や学校で見つかってしまって今月中に消さないと退学や停職になる、そういった消す時間がないときは適応とはいえません。このような状況では切除や削皮などの外科手術による方法しかありません。
刺青を消す方法~ピコレーザー以外~
ピコレーザー以外のレーザーは「ナノレーザー」や「Qスイッチレーザー」と呼ばれるものです。Qスイッチレーザーにはヤグレーザーやルビーレザーなど様々な種類があります。
ピコレーザー以外のメリットとデメリット
タトゥーを消す目的の場合、ピコレーザー以外でメリットはありません。デメリットだけです。レーザーを当てたけど消えなかった、逆にケロイドになってしまった等。レーザーによるタトゥー除去を選択するのならピコレーザー以外のレーザーはやめた方がよいです。
タトゥー消す方法のまとめ
今のところタトゥーや刺青を消す方法には外科手術かレーザーしかありません。どちらにもメリットとデメリットがあります。時間を優先するなら外科手術、綺麗に消すことを優先するならピコレーザーです。詳細は治療をしてもらう先生によくお話を聞きましょう。
記事著者
このページは医療に関わる専門的な内容になっています。
そのため、
医師免許を持った加藤晴之輔総院長をはじめ、
日本形成外科学会(JSPRS)専門医、
日本美容外科学会(JSAPS)正会員を有する
ルーチェクリニック医師陣が著者・監修し制作しております。
記事著者・総監修医師:加藤晴之輔
<総院長略歴>
- 岐阜大学医学部卒
- 東京大学大学院医学博士
- 医療法人社団光美会 理事長
- ルーチェクリニック 総院長
- 自治医科大学形成外科非常勤講師
<代表的な資格>
- 日本形成外科学会専門医 専門医一覧
- 日本美容外科学会正会員 名医を探そう
- 日本美容外科学会評議員 評議員一覧
- 国際美容外科学会正会員 Find a surgeon
- 日本再生医療学会会員
- アメリカ形成外科学会正会員
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